2008 8 9 (土) 池田市制施行70周年・財団法人いけだ市民文化振興財団設立10周年記念
2008 ジャズ ピクニック in 猪名川‘スーパー ドラム バトル’レポート

↑ドラムバトルするポンタ氏(奧)、力哉氏(手前)
8月9日の土曜日、”猪名川ジャズピクニックが開催された。今回のコンサートの目玉はなんと言っても”村上ポンタ秀一”、”東原力哉”両ドラマーのバトル。しかもビッグバンドを従えての登場。ドラマーでもありビッグバンドファンの私としてもとても興味溢れるコンサートだった。
今回のコンサート、池田市民文化振興財団創立20周年だし、なにかよい企画がないだろうかと企画の検討をしていたとき、フッと頭をよぎったのが”Buddy Rich Memorial Scholarship Concert”のビデオ。Buddy Rich Big Bandに様々なスーパードラマーが客演する、ドラマー必見の作品。

そうなると頭に浮か ぶのがまず”東原力哉”氏、そしてもう一人、力哉氏に対抗できるのはそうざらにはいないし、できれば関西にゆかりのあるドラマー。
そこでまず無理かもしれないと思いつつ出した名前が”村上ポンタ秀一”氏。 検討の結果、面白いじゃないという結論に達したものの、多忙な両者、実現性は極めて薄いと思っていた。しばらく後、関西ジャズ協会副会長の宮本直介さんから”力哉氏・ポンタ氏”で決まった旨伝えられビックリした。
宮本さんが両氏と親しくその強力なプロデュース力で実現の運びとなったものだ。まさかまさかの競演が実現するとあってとても嬉しかった。今回は、お二人のドラマーの楽器のセッティングのしかた、チューニングのポイントそして、リハーサルでの勘どころ、PAへの微妙なやりとりと注文の仕方、エフェクターかけ方等々。ここで詳しくは書けないが、間近で見なければわからないこと充分に学ばせてもらった。一つ一つ妥協を許さないのだが、しかし柔軟に対処する。プロフェッショナルの神髄を充分に見せてもらった思いだった。
↑力哉氏のセット(手前)、ポンタ氏のセット(奥)

 
↑ポンタ氏↓ ↑力哉氏↓
両者のプレイは、素晴らしいの一言だった。”男気溢れる”力哉氏の容赦のないドラムス。力哉氏のプレイを受け止め、サウンドと味わいの技を繰りひろげるポンタ氏。堪能した、感動した。ミディアムファストで挑戦したブラシでのドラムスチェイスも良かった。フルボリュームでの圧倒的なトウッティも凄かった。舞台の袖で見ていて何度も仕事を忘れそうになる瞬間の連続だった。写真を見ていただければその雰囲気はお判りいただけると思う。

↑画像中央は、バンマスの足立さん
アゼリアジャズオーケストラのプレイも特筆に値する。ドラムスにとって難曲であることは確かだが、ブラスのほうも並大抵の譜面ではない。テンポも速いしフレーズもたたみ込む ように続いていく。おまけにラッパ群は限界かと思われるハイノートの連続。これらの曲をわずか数時間のリハーサルで完璧にやってのける。池田市民文化振興財団の肝いりでスタートした、関西で活躍するプロミュージシャンを中心としたこのオーケストラ。結成二年を迎えようとしているがここに来て一段とアンサンブルのまとまりを見せてきた。メンバーの実力とバンマスの足立さんの厳しい指導によるものだと思う。また選曲には相当苦労され、お二人のドラマーの個性を考え抜いてアメリカまで譜面を注文されたようだ。
Line Upは以下のとおりでした。
東原力哉 PLAYS
Ruth (Buddy Rich)
Sambandrea swing (Louie Bellson)
村上“ポンタ”秀一 PLAYS
Dancing men (Buddy Rich)
Blues for uncommon kids (Louie Bellson)
村上“ポンタ”秀一 VS 東原力哉
Caravan
Flying home

昨年に引き続き、お客さまが増えてきている。今年は1500人を2000人近くになったのではないかと思う。お客さまも大喜び熱い熱いコンサートとなった。このところ局地的集中豪雨が続く。今回のコンサートもこのスーパーバトルの直前にわかにかき曇り、危や大豪雨かと思ったが(1キロも離れていないところでは大豪雨)、なんと一滴の雨も降らなかった。お客様の熱い熱気に雨雲も吹き飛ばされてしまったのかと思う。ドラムスの魅力を再確認した。音楽をやっていて良かった、かかわっていて良かったと思える充実の一日であった。 (文章:澤崎 至)
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